DEF CON 30 に参加しました

はじめに

2022年8月10日〜17日(JST)の約1週間、Las Vegasに行ってDEF CON 30に参加してきました。5月ごろ開催されたDEF CON CTF Qualifierにチーム./V /home/r/.bin/twの一員として参加し、決勝に現地勢として参加することになったという経緯です。

旅行編

1日目

まず最初に持っていたバッグが破損しました。キャリーバッグと背中にかけるバッグの2つを持っていましたが前者は持ち手が、後者はジッパーが壊れました。気をつけたほうがよいです。

ちなみに、日本とアメリカは16時間も時差があるのでこの日は睡眠調節のために徹夜していました。今振り返るとこの行動はかなり正解で、アメリカに入国してから時差ボケや体調不良なく過ごすことができました。始発の新幹線に乗り9時頃に品川へ到着しました。新幹線の中では人生初のシンカンセンスゴクカタイアイスを食べました。おいしかったです。

その後京急線に乗って羽田空港第3ターミナルに行きました。品川駅の京急線のホームはデザインがかなり考えられていて、初見でも迷わずに電車に乗れました。ありがたい。空港についたあと最初にkurenaifさんを発見し、続けてチームメンバーと合流しました。この時点で12時を過ぎていて、朝からアイスしか食べていなかったので一緒にラーメンを食べました。CTFの小話ができて楽しかったです。

搭乗手続きは何事もなく進み無事飛行機に乗ることができました。国際線に乗るのは初めてで、3x3列のシートがあるのが新鮮でした。機内食は2回ありました。パンとバターが自分は一番好きでした。

飛行機の中で一番驚いたのは窓の遮光の仕組みでした。カーテンのようなものを想像していましたが、謎の仕組みで光が遮られるようになっていました。電子シェードと呼ばれる技術が使われているらしいです。へー。

機内の照明が落とされたあたりから眠くなり、3回程度寝て起きてを繰り返すとサンフランシスコ国際空港についていました。

自分は飛行機に乗ると耳が痛くなる体質で、特に今回は11時間のフライトだったのでかなり辛かったです。このあとsatokiさんに対策を教えてもらいどうにかなりました。

空港ではCBPによる入国審査がありました。英語のリスニング・スピーキングができるかかなり心配でしたがこれは思いの外なんとかなりました。が、別のところに問題がありました。審査の際にDEF CONへの招待状や泊まるホテルの予約証明を求められましたが何ももっておらず、審査官に怪訝な顔をされて別室に連れて行かれました。かなり緊張しましたが、いくつか追加の質問をされて最終的には入国を許可されました。筋骨隆々のアメリカ人に謎の部屋に連行される体験はもうしたくないです。最後に質問された"Are you a hacker?"への正しい返答が何だったのかはいまだにわかりません。あと携帯使用禁止の掲示に気づかずTwitterをしていたら怒られました。

その後、乗り換えで2時間程度暇な時間があったので空港内を見て回りました。寿司屋と思しきものがあって面白かったです。

途中でモンスターを大量に売っているお店を見つけたのでモンスターを飲みました。日本では見たことのないスイカ味と書いてあるものを選びましたが、結構美味しかったです。日本のモンスターよりも薬感が強い印象でした。

2回目のフライトを経てマッカラン国際空港に到着しました。2つ目のフライトは国内線だったので国際線と比べるととても楽でした。窓から少し離れた席だったので外の景色をあまり見ることができませんでしたが、本当に砂漠の中に都市があり驚きました。空港では、搭乗口を通るとすぐにルーレットがありカジノの主張が強かったです。ちなみにカジノは全面的に撮影禁止だったので、残念ながら写真を撮ることはできませんでした。Welcome to LAS VEGASのゲートを通るとすぐイグアナの置物がありとてもかわいかったです。

空港内には移動のために鉄道が敷設されていて規模感の違いを感じました。空港で手荷物を受け取った後はホテルに移動しました。移動にはUberを使いましたが、数分で車が到着してかなり体験がよかったです(田舎民のためUber Eatsすら使ったことがない)。ホテルはFlamingo Las Vegasで約30階建ての非常に大きな建物でした。

このホテルを含め、あらゆる施設にカジノが付属していて(あるいはカジノにホテルが付属していて)ラスベガスがラスベガスたる所以を理解しました。アメリカだと水道水が飲めず飲料水をお店で買うことになります。ホテル近くのWalmartで24本セットの飲料水を2つ買いました。夕食にはCaesars Palaceのフードコートでピザを食べました。1スライスを頼むと日本のピザの2枚分ぐらいが出てきました。少し量が多かったですが非常に美味しかったです。

ホテルのチェックインは機械でできるハイテク仕様でしたが、無限にエラーを吐かれたので結局人にしてもらいました。英語力がかなりカスだったので苦労しました。ホテルに帰った後は疲れていたので10時ぐらいに寝落ちしました。

2日目

この日は6時ぐらいに起床しました。朝食はチームの8人でDenny'sに行きました。朝食からかなり重い食事が出されつらかったです。このあたりから1日2食の超空腹と超満腹を行き来する生活が続きます。

腹ごしらえをしたあとはDEF CONの会場であるCarsars Forumに行きました。この会場を含めラスベガスの建造物は規模が異常で、ただただ巨大でした。

DEF CON初日はCTFが開催されずバッジを受け取るだけで、とくにすることがなかったので物販に行くことにしました。物販の列に並ぶタイミングが悪くて行列がかなり長くなっており、部屋にたどり着くまで2時間程度かかりました。が、一緒に並んでいたkurenaifさんやn4nuさんと面白い話ができてよい時間を過ごせました。物販にはTシャツやパーカー、コップなどが売っており自分は$135の買い物をしました。ちなみにクレジットカードには対応しておらず現金での決済のみでした。現金ではこれが最大の買い物になりました。

列に並んでいる途中でスタッフの方々(DEF CONではGOONと呼ぶらしい)が手にびっくりチキン1を持って列の整理をしていて面白かったです。

物販の後はホテルの周りを観光しました。Bellagioの噴水に一度行きましたがまだ昼の時間帯だったので動いておらず、単に巨大な池があっただけでした。夜までは時間があったのでBattlefield Vegasへ銃を打ちに行きました。ここではハンドガン、アサルトライフルなどを$135で打つことができました。一緒に行ったメンバーの中にはすでに銃を打ったことのある人が数名いて、特にptr-yudaiさんはかなり慣れている様子でした。壁にはられていた絵がかわいかったです。

夕食はSUBWAYに行きました。

ホテルに帰った後はicchyさんからDEF CONのバッジを受け取りました。今年はキーボードを模していて実際に演奏することができるものでした。バッジ自体は分解して解析できるようになっていて、これにはまったく取り組めていないので帰ったら調べてみたいです。ホテルのスイートルームで軽いミーティングもありました。入国前のチームミーティングである程度役割は決まっていて、使うツールやインフラ周りの確認が主な内容でした。この日も23時ぐらいに寝落ちしました。

3日目

ほぼ毎日寝落ちしていたので朝に風呂に入るようになっていました。ところで部屋の清掃がまったくされず電話が必要だったところに日本のホテルとの差を感じました。現金でのチップもこの日が初めてでした。

朝食はWahlburgersでハンバーガーを食べました。食べるたびに肉汁と野菜がこぼれ落ちていきなかなか美味しかったです。

CTFの会場が開くのは9:00からでしたが我々は8:30ごろに到着したので外で待機していました。他のチームも同じような行動をしていて、待機している間は他のチームを観察していました。この時点ですでに人数や資金力の差を感じました。荷物を会場に運んだ後は、経験者が会場からCTFに参加し、初参加勢はホテルから参加することになりました。

4日目

略(DEF CON CTF)

5日目

CTFが急に終わり、予定より1時間早い13:00にスコアボードが閉じられました。予告もなく突然終了したのでいまだに微妙な気持ちになっています。CTFが終わった後はチームで写真を取りました。ちなみにチームの旗は持って帰る人がいなかったので僕がもらうことになりました。ありがとうございます。CTFが終わったあとにDEF CONの各Villageを回ろうと思っていましたがこの時間にはもうほとんどのブースが閉じられていて、実はほとんど回ることができませんでした。かの有名なWall of Sheep含め何も見られていないので少し後悔しています。ということでここからは何も予定がなくなったので、ひとまず昼食にタコスを食べに行きました。

道の途中で看板の一つがブルスクになっていて面白かったです。

ここでxrekkusuさんにSwarmを教えてもらい使い始めました。確かに行った場所の記憶はあいまいになりがちなので、こういう記録をつけておくのは重要だと納得しました。昼食を食べたあとほとんどの人はカジノに行きましたが、自分はまだカジノに行ける年齢ではなかったのでkeymoonさんと一緒に観光することにしました。一旦ホテルに戻って休んだあと、ホテルに隣接している動物園?のようなところに行きました。Flamingoというホテルの名前のとおりフラミンゴがいました。実はフラミンゴを見るのは初めてでよい体験でした。

その後はHigh Rollerなる観覧車に乗りました。最上部で550 ft(168 m)の高さがあるらしいです。すごい。遠景が見えるようになると砂漠に囲まれている様子がわかり、この都市の特異さをよく感じました。

観覧車から降りると、次にCaesars Palaceのホテルを探索しました。ラスベガスのホテルは様々な施設を内包しており、ブランドショップやカンファレンスルーム、プールなどが一つの建物で完結していることが多いです。その中でもカンファレンスルームは個人的にかなり好きな空間でした。ちょうどこのときはカンファレンスルームが使われておらず、ただっぴろい空間にだれもいないという最高の空間でした。部屋の名前には神話に登場する神々の名前が使われており、これも最高でした。ホテルに入ってから出るまで1~2時間かかっていて、これだけでかなり時間を潰せました。

ホテルを出たあとは再びBellagioの噴水を見に行きました。今回はちょうど噴水が動いている時間帯で、噴水の音や水しぶきに圧倒されていました。 夕飯はSushi burritoを食べました。生地には海苔とトルティーヤが選択できたので、トルティーヤを選びました。日本料理とアメリカ料理を悪魔合体させたような味で、寿司なのになぜかピリ辛という謎の味がしました。一緒に頼んだマンゴーレモネードが一番美味しかったです。

ところでラスベガスでは看板にシールを貼り付ける行為が横行しているようなんですが、このキャラクターがかわいかったです。かわいい。

時間帯によって景色が変わるのは日本もラスベガスも同じですが、ラスベガスではその程度が大きかったように感じています。同じ場所でも朝・昼・夜で全く印象が異なるので、これだけでも楽しむことができました。

6日目

朝にWorksite LabsでPCR検査を受けました。検査場が駐車場の一角にあり見つけるのにかなり苦労しました。検体の採取は自分で行う形式で、鼻腔内にものを突っ込むのが苦手なのですこし苦しかったです。

途中で顔が手になっているハローキティに出会いました。怖い。

まだ朝食を食べていなかったので、同じ建物内にあったフードコートで食事をとりました。icchyさん、keymoonさんと一緒にピザをホールで食べました。周りから完食できるか心配されましたが、3スライス食べても意外と余裕でした。これが若さらしいです。

帰りのUberでは運転手の方にビーフジャーキーをいただきました。が、正直何を言っているのか聞き取ることができず、リスニング能力の限界を痛感しました。

ホテルに戻った後はCVS Pharmacyへ行っておみやげを買いました。一緒に買ったレモネードが美味しかったです。アメリカでレモネード以上に美味しい食べ物に出会った記憶がありません。

ところでこれはエレベーターの写真ですが、壊れていそうな雰囲気がありアメリカクオリティを感じました。

実はこれ以外にも1つの階から動かないエレベーター、階数のボタンを押しても消えるエレベーターなどがあり見る分には面白かったです。

ちょうどおみやげを買い終わったあたりでPCR検査の結果がメールで届きました。朝の9時に検査を受けたので9時間程度で結果が届いたようです。陰性の文字を見て謎の解放感で満たされていましたが、帰国後も予定が詰まっていたので理性を強めていました。

夕食はDenny'sに行きスキレットを食べました。名前をよく見ずに頼むと激辛の料理が出てくるので気をつけたほうがよいです。ここでもまたストロベリーレモネードを飲みました。これが一番美味しかったです。

わりと時間が余っていたのでシルク・ドゥ・ソレイユを観に行こうと思ったのですが、チケットの予約画面が進まなかったので諦めました。実はかなり残念で、またLas Vegasに行くことがあれば必ず観に行きたいです。

通り道だったので3度目のBellagioの噴水を観に行きましたが、強風で中止になっていました。

7日目

朝食にスターバックスのサンドイッチを食べました。人生初のスターバックスで、想像より全然注文が楽だったので驚きました。コーヒーの容器にやけど注意と書かれていたにも関わらずやけどしてかなりバカになっていました。

ところでこれはコンセントの画像です。よき。

帰り道にWalmartがあったので、前日satokiさんに教えてもらったドクターペッパーのチェリー味を飲みました。ドクターペッパーは箱買いするほど大好きで、この味もかなり好みでよかったです。チェックアウトの際に部屋に置き忘れてしまい1/5ほど残してしまったのが残念でした。

このホテルはチェックアウトが部屋のテレビからできてハイテクでした。結局領収書を得るためにカウンターに行くことになったので、別にチェックアウトを部屋でする必要はありませんでしたが。領収書をメールで送ってもらうためにメールアドレスを伝える必要があったのですが、発音が悪く無限に伝わりませんでした。最終的に紙を渡され手書きで伝えましたがなぜがこれでも伝わらず苦労しました。

これはチェックアウトの機械の画像です。

チームメンバー全員がチェックアウトしたのを確認し、Uberで空港へ向かいました。前日にMySOSで手続きをしていたのですぐチェックインが終わり快適でした。MySQLと紛らわしいという話を聞いて頷いていました。

ラスベガスの空港には動物の置物が複数設置されており、帰りはうさぎをみつけました。かわいい。

セキュリティを抜けた後お腹が空いていたのでKFCで食事をとりました。小さめのハンバーガーを頼んだつもりが大きいものが出てきて驚きました。最近野菜のありがたさに気づきつつあります。

帰りは行きと同様2つの飛行機に乗りました。1つ目のLAS→LAXのフライトは約1時間の予定でしたが、目を閉じたあと気づくと着陸していて怖かったです。2つ目のLAX→HNDのフライトはANAが運行しているもので日本語の案内がありました。日本語の会話には安心感よりも違和感を感じ、まだ帰国していないのに帰国した感がありました。

機内食は2回ありました。KFCで食事を取ったためにすでに満腹になっていて食べるのがつらかったです。

1時間程度出発の遅延があったにも関わらずほぼ定時に到着していて、飛行機にも回復運転の概念があったんだなと思うなどしました。

税関の電子申告とファストトラックを利用したため、飛行機が着陸してから1時間で入国できました。 そこからは都内のホテルで一泊して新幹線で帰宅し、got a kotonakiしました。

CTF編

https://media.defcon.org/DEF%20CON%2030/DEF%20CON%2030%20ctf/ が200になって暇だったら書きます。

振り返り

よかったところ

思ったより英語はなんとかなった

海外に行く上で一番の不安は英語でコミュニケーションができるかどうかでしたが、これは意外とどうにかなりました。最低限のリスニングと最低限のスピーキングができれば最低限の会話は成立します。僕でもソロで1日程度観光や買い物などができる程度だったので、行動を妨げる要因が英会話しかないのであればとりあえずしてみるのがよいと思います。

特に雑談レベルの会話においては、相手が親切な方だと翻訳アプリを使ってもらえるような場合もあるそうです。

したいことが増えた

DEF CON 30やDEF CON CTFへの参加を通してあらゆるモチベーションが高まりました。このようなカンファレンスに現地で参加するのが初めてだったのに加え、興味を掻き立てられるような物品がそこら中にあるので自然と「〜したい」と思うようになっていました。インターネットは基本的には自分が探しているものしか見つけられず、偶発的な出会いはTwitterに任せていた面があるので、こういったイベントに現地で参加することの意義を強く感じました。

CTFプレイヤーと交流できた

インターネットでしか話したことのなかったCTFプレイヤーや、リアルワールドでセキュリティに関わる仕事をしている人と軽く話をすることができました。自分自身がそろそろ進路を確定させなければならない時期なのもあって、このような機会をもつことができてよかったと思います。同時に、後述する英語力の不足を感じる場面でもありました。

次に挑戦したいこと

英語力を高める

英会話があまり得意でなくても生きて帰国することができましたが、もっと英語ができたらなと思う場面がいくつもありました。これは主にリスニング力の欠如によるところが大きいので、勉強していきたいです。

DEF CONに参加する

今回はDEF CON CTFにほとんどの時間を吸われたためDEF CON自体にはあまり参加できませんでした。行ってみたいVillageや聞きたい発表のリストを作ってはいたものの作っただけで終わってしまったので、次年度以降でDEF CONに参加する機会があればもっと積極的に行動したいです。

精進する

世界のCTFトッププレイヤーの姿を間近で見られたことで、CTFへの意欲が急激に高まりました。今回DEF CONに参加することができたのは運がよかったとしか言いようがなく、次回は自力で世界大会に参加できるよう精進していきたいです。

持ち物

またいつか海外旅行に行くときのために持っていって使用したもののリストを残しておきます。 書類や予定表などは印刷しておくとトラブルが少なくてよいです。 あと招待状や予約証明があれば持っておくと入国時に役立ちます。

おわりに

非常に楽しい1週間でした。体感では一瞬でしたが参加記を書いてみると記憶していたよりも充実していたようです。 今はあらゆるモチベーションが高まっており、それだけでも貴重な体験だったことを痛感しています。 まずは目の前の受験をがんばります。

なお、今回のDEF CON参加にあたってチームメンバーを始めとした多くの方々に助けていただきました。また、株式会社リチェルカセキュリティ様には渡航費・宿泊費など多大なご支援をいただきました。ありがとうございました。

さらには精神疾患の診断を受けて1ヶ月というシビアなタイミングでの海外渡航でしたが、時差を考えず深夜に画像を送りつけてもメッセージを返してくれる人がいてくれて大変助かりました。ありがとうございました。

圧倒的感謝。